古文
女房すみゑの心遣いと贈答和歌
5回解答
普通
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古文
女房すみゑの心遣いと贈答和歌
5回解答
普通
橘の香の文
[1] 卯月《うづき》のころ、中将の君より、内裏《だいり》に新しう仕うまつり始めたる女房すみゑのもとへ、橘《たちばな》の、花咲き匂ふ枝を(ア)奉《たてまつ》らる。同じ局《つぼね》の君達、その類《たぐひ》まれなる香りを愛《め》でて、「『五月《さつき》待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする』とこそ古歌にもあれ。いとゆかしき御文《おんふみ》を添へて、疾《と》く返したまふべきものを。」と口々にそそのかすめり。
[2] すみゑ、若き心地に、①うちとけたる詞《ことば》はつつしむべしと、常々母の教へを守りければ、ただちに返り文をものせむことをためらふ。その夜、局の長《おさ》なる先達《せんだち》の女房のもとへ参りて、この由《よし》を語り聞えさすれば、先達、静かに頷き、「文《ふみ》はただ美しき色をこととすべからず。必ずその奥に由《よし》【注1】を立つべきなり。人の心は、言の葉の裏にこそ隠るるものなれば。」と教へ(イ)たまふ。
[3] 明くる日、すみゑ、かの橘の枝の葉のうらに、小さく結び文して、中将の君へ返しけり。歌に曰く、
橘の 葉隠《はがく》れにのみ 匂ふ香は ②人の言《こと》の葉 隠《かく》すしるしぞ
[4] 贈り主、これを開き見て、いたく感じたまひて、「③言ふに言はぬ礼のほどぞ、心憎き。」とて、常よりもことにほめそやし、それより後《のち》は、文《ふみ》を交はすこと絶えざりけるとぞ。
【注1】由を立つ:趣向や根拠を設けること。 【注2】そそのかすめり:「そそのかす」+「めり」(推定)。そそのかしているようだ。
【登場人物と出来事の整理】
【出来事の流れ】
傍線部(ア)「奉らる」の敬語に関する説明として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部①「うちとけたる詞はつつしむべし」とあるが、これはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
和歌(②)の解釈として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部③「言ふに言はぬ礼のほど」とあるが、中将の君はすみゑの返事のどのような点を評価したのか。その説明として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
本文の内容に関する説明として適当なものを、次のア~オの中から二つ選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、後の中から一つ選べ。
橘の香の文
[1] 卯月《うづき》のころ、中将の君より、内裏《だいり》に新しう仕うまつり始めたる女房すみゑのもとへ、橘《たちばな》の、花咲き匂ふ枝を(ア)奉《たてまつ》らる。同じ局《つぼね》の君達、その類《たぐひ》まれなる香りを愛《め》でて、「『五月《さつき》待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする』とこそ古歌にもあれ。いとゆかしき御文《おんふみ》を添へて、疾《と》く返したまふべきものを。」と口々にそそのかすめり。
[2] すみゑ、若き心地に、①うちとけたる詞《ことば》はつつしむべしと、常々母の教へを守りければ、ただちに返り文をものせむことをためらふ。その夜、局の長《おさ》なる先達《せんだち》の女房のもとへ参りて、この由《よし》を語り聞えさすれば、先達、静かに頷き、「文《ふみ》はただ美しき色をこととすべからず。必ずその奥に由《よし》【注1】を立つべきなり。人の心は、言の葉の裏にこそ隠るるものなれば。」と教へ(イ)たまふ。
[3] 明くる日、すみゑ、かの橘の枝の葉のうらに、小さく結び文して、中将の君へ返しけり。歌に曰く、
橘の 葉隠《はがく》れにのみ 匂ふ香は ②人の言《こと》の葉 隠《かく》すしるしぞ
[4] 贈り主、これを開き見て、いたく感じたまひて、「③言ふに言はぬ礼のほどぞ、心憎き。」とて、常よりもことにほめそやし、それより後《のち》は、文《ふみ》を交はすこと絶えざりけるとぞ。
【注1】由を立つ:趣向や根拠を設けること。 【注2】そそのかすめり:「そそのかす」+「めり」(推定)。そそのかしているようだ。
【登場人物と出来事の整理】
【出来事の流れ】
傍線部(ア)「奉らる」の敬語に関する説明として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部①「うちとけたる詞はつつしむべし」とあるが、これはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
和歌(②)の解釈として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部③「言ふに言はぬ礼のほど」とあるが、中将の君はすみゑの返事のどのような点を評価したのか。その説明として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
本文の内容に関する説明として適当なものを、次のア~オの中から二つ選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、後の中から一つ選べ。