漢文 原文
[1] 燕王好レ聴二佞弁之臣一。其臣曰レ張、日進二巧言一、以惑レ王聴。別有一レ臣曰レ石、為人沈黙、未レ嘗一レ言。王心輕レ之。
[2] 歳大旱、民飢。張進説曰、「当レ急徴二商賈之利一、以充二国庫一。」王以為レ然。召レ石問レ之。石不レ言、只奉上一束枯禾。王不レ解。石又奉上一抔陳土。王愈不レ解、怒曰、「卿欲レ言何事。其速言レ之。」
[3] 石乃拝曰、「禾枯、民之本傷也。土陳、国之基壊也。今不レ救二其本一、而先奪二其末一、是猶レ療レ肌而傷レ骨。国必亡矣。」王大悟、乃罷レ張而任レ石。
書き下し文
[1] 燕王佞弁の臣を聴くことを好む。其の臣を張と曰ひ、日に巧言を進め、以て王の聴を惑はす。別に一臣有り石と曰ひ、人と為り沈黙にして、未だ嘗て一言せず。王心に之を軽んず。
[2] 歳大いに旱し、民飢う。張進み説きて曰はく、「当に急に商賈の利を徴し、以て国庫を充たすべし。」と。王然りと為す。石を召して之に問ふ。石言はず、只だ一束の枯禾を奉ず。王解せず。石又一抔の陳土を奉ず。王愈愈解せず、怒りて曰はく、「卿は何事を言はんと欲するや。其れ速やかに之を言へ。」と。
[3] 石乃ち拝して曰はく、「禾枯るるは、民の本傷るるなり。土陳ふるは、国の基壊るるなり。今其の本を救はずして、而して先づ其の末を奪ふは、是れ猶ほ肌を療して骨を傷るがごとし。国必ず亡びん。」と。王大いに悟り、乃ち張を罷めて石を任ず。
【注1】佞弁(ねいべん):口先が巧みで、こびへつらうこと。
【注2】嘗て(かつて):これまで一度も(〜ない)。「未嘗」で「いまだかつて〜ず」。
【注3】抔(ほう):両手ですくった一杯ほどの量。
【注4】陳土(ちんど):古く、力の衰えた土。
【注5】末(すえ):ここでは根本(農業)に対して末梢的・二次的なもの(商業)を指す。
本文は、臣下の張と石をどのように対照的に描いているか。その説明として最も適切なものを一つ選べ。
傍線部「只奉上一束枯禾」とあるが、石が沈黙したまま枯れた稲穂を差し出した行動に込められた意図として、最も適切なものを一つ選べ。
傍線部「其速言之」の解釈として最も適切なものを一つ選べ。
漢文 原文
[1] 燕王好レ聴二佞弁之臣一。其臣曰レ張、日進二巧言一、以惑レ王聴。別有一レ臣曰レ石、為人沈黙、未レ嘗一レ言。王心輕レ之。
[2] 歳大旱、民飢。張進説曰、「当レ急徴二商賈之利一、以充二国庫一。」王以為レ然。召レ石問レ之。石不レ言、只奉上一束枯禾。王不レ解。石又奉上一抔陳土。王愈不レ解、怒曰、「卿欲レ言何事。其速言レ之。」
[3] 石乃拝曰、「禾枯、民之本傷也。土陳、国之基壊也。今不レ救二其本一、而先奪二其末一、是猶レ療レ肌而傷レ骨。国必亡矣。」王大悟、乃罷レ張而任レ石。
書き下し文
[1] 燕王佞弁の臣を聴くことを好む。其の臣を張と曰ひ、日に巧言を進め、以て王の聴を惑はす。別に一臣有り石と曰ひ、人と為り沈黙にして、未だ嘗て一言せず。王心に之を軽んず。
[2] 歳大いに旱し、民飢う。張進み説きて曰はく、「当に急に商賈の利を徴し、以て国庫を充たすべし。」と。王然りと為す。石を召して之に問ふ。石言はず、只だ一束の枯禾を奉ず。王解せず。石又一抔の陳土を奉ず。王愈愈解せず、怒りて曰はく、「卿は何事を言はんと欲するや。其れ速やかに之を言へ。」と。
[3] 石乃ち拝して曰はく、「禾枯るるは、民の本傷るるなり。土陳ふるは、国の基壊るるなり。今其の本を救はずして、而して先づ其の末を奪ふは、是れ猶ほ肌を療して骨を傷るがごとし。国必ず亡びん。」と。王大いに悟り、乃ち張を罷めて石を任ず。
【注1】佞弁(ねいべん):口先が巧みで、こびへつらうこと。
【注2】嘗て(かつて):これまで一度も(〜ない)。「未嘗」で「いまだかつて〜ず」。
【注3】抔(ほう):両手ですくった一杯ほどの量。
【注4】陳土(ちんど):古く、力の衰えた土。
【注5】末(すえ):ここでは根本(農業)に対して末梢的・二次的なもの(商業)を指す。
本文は、臣下の張と石をどのように対照的に描いているか。その説明として最も適切なものを一つ選べ。
傍線部「只奉上一束枯禾」とあるが、石が沈黙したまま枯れた稲穂を差し出した行動に込められた意図として、最も適切なものを一つ選べ。
傍線部「其速言之」の解釈として最も適切なものを一つ選べ。