古文
父の死と残された笛
4回解答
難しい
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古文
父の死と残された笛
4回解答
難しい
形見の笛
[1] 中納言定頼《さだより》卿、(ア)世を背きたまひて後、残されたる若君、父の卿の形見にとて、常に身を放たず持たまふ笛あり。唐土《もろこし》よりもたらされし、類ひなき名器なり。この笛を吹くに、亡き父君の面影、ありありと目に浮かびて、①堪へがたき心地すれば、人もなき所にて、しのびやかに音を立てては、涙にむせびたまひけり。
[2] さるころ、内裏《うち》にて管弦の遊び催され、帝、この若君を召して、「そなたが持つといふ笛、まことに妙なる音と聞く。②今宵、人々に披露せよ」と勅命《ちよくめい》あり。若君、辞退申さむ方なく、御前に参る。居並ぶ殿上人《てんじやうびと》、皆、若君の手にある笛に目を注ぐ。若君、笛を唇に当つるに、父君の最後の息遣ひさへ聞こゆる心地して、胸迫り、音を出すこと(イ)叶はざりけり。
[3] つひに若君、笛を静かに置き、帝に向かひて、かく奏しけり。
③父君の 息吹《いぶき》のこもる 笛の音《ね》は 涙に曇り 吹きも敢《あ》へなくに
[4] 帝はじめ、人々皆、この歌に深く感じて、「④げに、さもあらむ」とて、涙ぐみたまふ。帝、「無理を言ひつるは、朕《ちん》【注1】の誤りなりき。その笛は、今はそなた一人のために吹くがよからむ」とのたまひて、その夜の宴は、笛の音なくしてお開きになりけるとぞ。
【注1】朕:天皇が自らを指す言葉。
【補助資料:若君の心情】
傍線部①「堪へがたき心地すれ」とあるが、このときの若君の心情として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部②「今宵、人々に披露せよ」という帝の勅命に対して、若君がためらい、最終的に笛を吹けなかったのはなぜか。その理由として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
若君の歌(③)の解釈として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部④「げに、さもあらむ」という帝や人々の反応からうかがえることとして、最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
形見の笛
[1] 中納言定頼《さだより》卿、(ア)世を背きたまひて後、残されたる若君、父の卿の形見にとて、常に身を放たず持たまふ笛あり。唐土《もろこし》よりもたらされし、類ひなき名器なり。この笛を吹くに、亡き父君の面影、ありありと目に浮かびて、①堪へがたき心地すれば、人もなき所にて、しのびやかに音を立てては、涙にむせびたまひけり。
[2] さるころ、内裏《うち》にて管弦の遊び催され、帝、この若君を召して、「そなたが持つといふ笛、まことに妙なる音と聞く。②今宵、人々に披露せよ」と勅命《ちよくめい》あり。若君、辞退申さむ方なく、御前に参る。居並ぶ殿上人《てんじやうびと》、皆、若君の手にある笛に目を注ぐ。若君、笛を唇に当つるに、父君の最後の息遣ひさへ聞こゆる心地して、胸迫り、音を出すこと(イ)叶はざりけり。
[3] つひに若君、笛を静かに置き、帝に向かひて、かく奏しけり。
③父君の 息吹《いぶき》のこもる 笛の音《ね》は 涙に曇り 吹きも敢《あ》へなくに
[4] 帝はじめ、人々皆、この歌に深く感じて、「④げに、さもあらむ」とて、涙ぐみたまふ。帝、「無理を言ひつるは、朕《ちん》【注1】の誤りなりき。その笛は、今はそなた一人のために吹くがよからむ」とのたまひて、その夜の宴は、笛の音なくしてお開きになりけるとぞ。
【注1】朕:天皇が自らを指す言葉。
【補助資料:若君の心情】
傍線部①「堪へがたき心地すれ」とあるが、このときの若君の心情として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部②「今宵、人々に披露せよ」という帝の勅命に対して、若君がためらい、最終的に笛を吹けなかったのはなぜか。その理由として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
若君の歌(③)の解釈として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
傍線部④「げに、さもあらむ」という帝や人々の反応からうかがえることとして、最も適当なものを、次の中から一つ選べ。