命題・必要十分条件・対偶
命題を矢印と集合の包含関係で整理し、反例・必要十分条件・対偶を使って真偽を判断します。
この教材でできるようになること
命題の真偽を判断し、偽なら反例を1つ示せる
から必要条件と十分条件を正しく読み取れる
逆・裏・対偶を区別し、元の命題と対偶が同値であることを使える
命題が偽なら、反例は1つで十分
命題とは、正しいか正しくないかを判断できる文です。「すべての実数 について、」は真ですが、「 ならば 」は で成り立たないため偽です。
「すべての場合に成り立つ」という命題を偽にするには、成り立たない具体例を 1つ 見つければ十分です。この例を反例といいます。
矢印の出発側が十分、到着側が必要
見方 | 読み取り |
|---|---|
から が必ず出る | は であるための十分条件 |
が成り立つには が欠かせない | は であるための必要条件 |
かつ | は であるための必要十分条件 |
を満たすものの集合が、 を満たすものの集合の内側に入っていれば です。
条件qを満たす大きな円の中に条件pを満たす小さな円が入り、pならばqが成り立つ包含関係を示す図。
主語を としたときは、2つの矢印の真偽を次の4パターンへ整理すると迷いません。
は であるための条件 | ||
|---|---|---|
真 | 真 | 必要十分条件() |
真 | 偽 | 十分条件だが必要条件ではない |
偽 | 真 | 必要条件だが十分条件ではない |
偽 | 偽 | 必要条件でも十分条件でもない |
元の命題と必ず同じ真偽になるのは対偶
名前 | 命題 | 元の命題との関係 |
|---|---|---|
元の命題 | 基準 | |
逆 | 同じ真偽とは限らない | |
裏 | 同じ真偽とは限らない | |
対偶 | 元の命題と必ず同値 |
対偶を作るときは、条件を漏れなく否定します。特に不等号は、向きを変えるだけでなく等号の有無も変わります。
条件 | その否定 |
|---|---|
反例と対偶で矢印を確かめる
- 1
実数 について、、 とします。
- 2
なら両辺が正なので2乗しても となり、元の命題は真です。
- 3
逆の は、 が反例なので偽です。
- 4
対偶 は元の命題と同値です。直接示しにくい命題は、対偶へ言い換えると見通しがよくなります。
必要条件と十分条件を矢印から読む
実数 について、条件 を「」、条件 を「」とします。次の条件の関係を選んでください。
条件を1つ変えて、前の矢印を再利用する
前問の はそのままに、 だけを から に変えます。今度は と の両方が成り立ちます。 と の関係を選んでください。
命題と条件の振り返り
すべての場合に成り立つ命題は、反例が1つ見つかれば偽になる
では、 が十分条件、 が必要条件
逆 は元の命題と同じ真偽とは限らない
対偶 は元の命題と必ず同値
不等式を否定するときは、向きを反対にして等号の有無も変える
仕上げ
確認問題
確認問題に合格するとこの単元を完了します。