小説の心情を描写と時間の変化から読む
人物の行動・会話・回想をつなぎ、心情の変化と表現の働きを根拠から説明します。
この教材でできるようになること
場面の時間と心情の主体を区別する
会話と行動の組合せから心情を推測する
繰り返される描写の意味の変化を説明する
読み方の手順
小説では、気持ちを直接表す語だけが根拠ではありません。①何が起きたか、②人物が何を言い、何をしたか、③以前と何が変わったかを並べます。回想が挟まれたら「当時の理解」と「今の理解」を分けましょう。
自分ならどう感じるかではなく、その人物の状況から説明します。ただし「書いていない感情はすべて誤り」でもありません。複数の描写から無理なく推測できるかが大切です。景色や天候の意味を、悲しみ・希望などの固定した記号として決めつけないでください。
短い文章で練習する
子どもの頃、遥は父が壊れた椅子を直している間、何度も「新しいのを買えば」と言った。父は返事をせず、脚のぐらつきを確かめた。引っ越しの日、遥はその椅子を玄関に残しかけたが、座面の擦れを指でなぞり、荷物の列に戻した。
根拠から考える
- 1
時間を「子どもの頃」と「引っ越しの日」に分ける。当時の遥は買い替えを求めていた。
- 2
今は残しかけた椅子を荷物に戻している。擦れに触れる行動が、長く使った物への関心を示す。
- 3
「父の修理に対する見方が変わり、椅子を手放し難く感じた」は描写に合う。「父への不満が完全に消えた」までは断定できない。
別の文章で確かめる
毎朝、祖母は玄関の鉢を少しずつ動かしていた。私は通りにくいと思っていた。祖母が留守の日、葉が日陰に入っているのに気づき、私は鉢を日の当たる方へ寄せた。
「私」の行動の変化をどう説明できる?
本文・資料の根拠を確認して選びましょう。
確認問題の前に
場面の時間と心情の主体を区別する
会話と行動の組合せから心情を推測する
繰り返される描写の意味の変化を説明する
正解を選んだら、他の選択肢のどこが本文とずれたかも確認しましょう。
仕上げ
確認問題
確認問題に合格するとこの単元を完了します。